田村 吉康

1977年、群馬県生まれ。2003年に「月刊少年ジャンプ」で漫画『筆神』を連載。その後、世界各地で絵画展を開催。日本の漫画家としての視点を軸に、キャンバスや他のメディア上でのマンガ的表現の応用を追求している。
2014年「Personaggi - incone: dei fumetti giapponesi nella cultura mondiale」(リッカルディ宮殿
/イタリア)、2020年「ICON-TACT-マンガの新しい地平-」(新宿高島屋/東京)など個展多数。2011年「日本画
ZERO」展(村上隆主宰)参加。2014年ファッションブランド「McQ Alexander McQueen」秋冬レディースコレクションとコラボレーション。各国の大学や大使館などでの講演やワークショップも行っている。私は初め、東京という街が嫌いだった。ヨーロッパのように街から歴史を感じることは難しい。火災や自然災害、戦争によって歴史的な建築物の多くは消滅している。
しかし、実際にヨーロッパの歴史的な街に暮らしてみて、ようやく東京を先入観無く見ることができた。そして、私は自分の絵の制作スタイルが東京と似ていることに気がついた。何度もリセットを繰り返しながら躊躇わず新しいものをどんどん建て、破滅と復活を繰り返し、大まかな区域や町名などに歴史の名残を残す。これから日本に滞在する時間が増えるにつれ、私はさらに東京の様々な面を発見するだろう。そうした構造は、私が理想とする画家の仕事に近いものだ。

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