Duration

June 21, 2025 -
July 5, 2025

Opening Times

Tuesday - Friday, 2:00 - 7:00 PM
Saturday, 11:00 AM - 7:00 PM
Sunday - Monday, Closed.

Opening Party

June 20, 2025 - 07:00PM

目に見えない世界の中心、波が伝わり物語をささやく場所にて──展覧会「振動(Shindō)」は、日本の栗城優介とフランスのヴィンセント・ルフィン、ふたつの芸術的感性が織りなす魅力的な出会いを描き出します。

出展するのは、日本の栗城優介さんと、フランスのヴィンセント・ルフィンさん。異なる背景をもつ二人の作品が出会うことで、見えないものが見えてくるような、不思議で魅力的な世界を作り出しています。
作品を見ていく中で、目に見えないエネルギーや、遠くから聞こえるような気配、静かに流れ
る空気など、さまざまな「振動」に気づくでしょう。色や形、素材の響き合いを通じて、身体
や心が動かされるような感覚を味わうこともできます。
画家パウル・クレーの言葉で「芸術は見えるものを再現するのではなく、見えるようにする」
にもあるように、この展覧会は、ふだん気づかない“見えないもの”を可視化する芸術の力を感じ
させてくれる場にしています。

栗城優介

栗城さんの作品は、人間の心の奥深くにあるものを探るような、どこか夢の中のような世界を描いています。心理学者ユングの考えに影響を受けながら、自分自身の内面と、外に向かって見せている「イメージ」との間を行き来しながら、作品を制作しています。彼の絵は、色鮮やかで自由な構成が印象的。見る人を想像の世界へと引き込みます。木の板や
キャンバスに描かれた人物たちは、まるで物語の一場面のよう。どこか懐かしくもあり、神秘的でもあります。旅先で撮った写真や、美術館で見たもの、ネットで見つけた画像など、さまざまな素材を組み合わせて作られる作品には、時代や場所を超えた独特の雰囲気があります。さらに、私たちが普段は気づかない“見えない何か”が、彼の作品には静かに息づいています。

ヴィンセント・ルフィン

ルフィンさんは、色と形が織りなす幻想的な絵画を描くアーティストです。彼の作品には、日常と非日常が入り混じったような不思議な魅力があり曖昧な形や、どこか意味ありげなポーズの人物たちが、温かみのある色合いの中に浮かび上がります。ルフィンさんは、はっきりとしたメッセージを伝えるのではなく、見る人の感じ方に委ねるような絵を描きます。そのため、作品にはいろんな解釈ができる“ゆらぎ”や“間(ま)”があります。彼は文学や哲学にも強い関心を持っていて、絵の中には人間関係や社会の姿を考えるヒントも含まれています。例えば、ボルテールやシェイクスピアなどの文学作品にインスピレーションを得て、現実と幻想の境界を描いています。どこか懐かしいようでいて、少し不思議な彼の世界観は、私たちに「日常の中にある非日常」を見つけさせてくれます。