思いが庭になるとき

Duration

November 13, 2026 -
December 18, 2026

Opening Times

Tuesday - Friday:
Saturday: Walk-in
11:00AM - 7:30PM

Sunday & Monday: Closed

Opening Reception

November 13, 2026 - 06:30PM

思いが庭になるとき
2月18日から、できる限り日記をつけている。それをそのまま作品として描くのではなく、時間をおいて読み返し、言葉の中にそっと隠れている感情や記憶、思考をたどりながら、それらと響き合う花を探す。花を通して、日々の経験やそのときの思いを、もう一度見つめ直していく。
選び出した花は、和紙やリネンの上に一枚限りのモノタイプ版画として刷られ、それらが集まり、重なり合いながら、より大きな構成へとつながっていく。花々が出会い、重なり、響き合うなかで、日々の記憶や感情が少しずつ重なり合い、やがてひとつの庭の風景が形づくられていく。
モノタイプという制作そのものもまた、私自身とともに歩み、その時々の思考や感情の変化に自然に呼応しながら変わっていく。偶然や不完全さを受け入れることで、一枚一枚の刷りは、記憶そのもののように、二度と同じものが生まれない一瞬として残されていく。
約一年をかけて積み重なった作品は、ある一日、ある季節、ある関係、ある転機、あるいはある感情の風景を映しながら、次第にひとつの庭となっていく。そこに現れるのは、個々の出来事の記録ではなく、それらが重なり合うことで生まれる、私自身の生きたアーカイブである。
花々は、観察と想像のあいだ、意味と生きた経験が溶け合う場所に存在している。そして、庭が育っていくように、私自身もまた、不確かさや変化、成長、そして内省を重ねながら、絶えず形づくられていく。
この展示がとらえているのは、明確な行き先もなく始まり、予期せぬ変化を経ながら、今もなお展開し続けているひとつの実践の姿である。ひとつの結論を求めるのではなく、変容そのものを、終わりではなく今も続いている過程として受けとめている。
ここに見えるのは、今もなお生まれ続けている自己の肖像のようなものだ。言葉ではなく、花とその重なりによって形づくられ、それぞれの記憶や感情が響き合いながら、絶えず変わり続ける内なる風景を映し出していく。その庭は、この展示空間を超えて、これからも続いていく。