Barbara Penhouet インタビュー
1. ご自身のプロフィールの中で「ジェスチャーの実験室(laboratory of gestures)」という考えについて触れていますが、この「実験室」という発想は、どのようにして生まれたのでしょうか。また、ジェスチャーは作品の中でどのような役割を果たしていますか?
文脈を変えたり、境界を曖昧にしたりすることで、霞みや認識のずれを生み出しています。そうした動きの中で、私はピナ・バウシュの作品に特別な共鳴を感じています。彼女は「Tanztheater(ダンス・シアター)」を創設し、ダンスに革命をもたらしました。ダンス、演劇、生々しい感情、そして壮大な舞台美術を融合させることで、バウシュは人間の本質や感情の伝達について探求する新たな領域を切り開きました。
彼女の方法は、ダンサーたちに問いを投げかけることを基盤としており、人間の心理、記憶、そして実際に生きてきた経験といった深いテーマに向き合うものでした。このアプローチに触発され、私は自分の絵画をひとつの「生きたタブロー」のように捉えるようになりました。そこでは、それぞれのジェスチャーや動きが、内なる自分を率直に表現するものとなります。
時間の中で凍りついたように見える場面を選ぶことで、私はそうした儚く親密な瞬間の本質を捉えようとしています。それは、誰もが共有するものと、一人ひとりに固有のもの、その両方を映し出すものです。
そのため、私の作品におけるジェスチャーは、単なる視覚的な表現ではありません。感情を伝える媒介となり、鑑賞者との対話を生み出す方法でもあります。そうして「ジェスチャーの実験室」は、ひとつひとつの筆致がダンスを想起させ、人間の経験の複雑さと深さを映し出す、実験のための空間へと変化していきます。
2. 希釈した油絵具を、前後に動かしながら描く現在の技法は、どのようにして生まれたのでしょうか?
私は透明感を活かした表現や、バランスを探ることを楽しんでいます。長い時間をかけて油絵具を使いながらさまざまな実験を重ねる中で、この技法を विकसितさせていきました。また、下層の色が透けて見える状態を残しながら、水面の反射を思わせるようなタッチを加えることも大切にしています。それは、記憶との類似性を生み出すものでもあります。
3. これまでに何人かの画家についてお話しされていましたが、他にもインスピレーションを受けている芸術表現はありますか?音楽、映画、写真などはいかがでしょうか?
ヴィヴァルディの「四季」の音楽に合わせた叙情的な演出の中で、アルタヴァスト・ペレシャンの映画は、アルメニアの羊飼いたちの日常における重要な瞬間を、季節の循環とともに描き出しています。干し草づくりや移牧といった営みが映画詩の中でライトモチーフとして現れ、シンプルで反復的な身振りの美しさを浮かび上がらせています。
一方、アレハンドロ・ホドロフスキーの映画は、サイコマジックや儀式という考え方を通して、個人が自らを解放するための仕組みを探求しています。彼の作品では、登場人物が苦しみを超え、本来の自分と再びつながるための象徴的な身振りがしばしば重要な役割を果たします。
この意味で、私にとって絵画は、こうした儀式にも似た、解放のためのプロセスです。私は、時間の外側に存在し、カタルシスをもたらすような瞬間を生み出したいと思っています。一つひとつの筆致、一つひとつの色がキャンバスに置かれることで、日常の制約から解放され、本物の感情へとアクセスできる空間がつくられていきます。このプロセスは、個人的かつ集団的な解放を求める探求でもあります。ホドロフスキーの映画と同じように、アートによって探求と癒しが可能になるのです。
4. あなたの作品には、余白や、人生の中で残してきたもの、そして私たちが残していく足跡という考え方が取り入れられています。なぜ、そのような瞬間に惹かれるのでしょうか?
私は特に、二つの要素が出会うとき、その間にある空白によってひとつにつながるという考えに興味があります。それらを結びつけているのは、その「空(くう)」であり、それはある種の第三の存在となります。もの同士が織りなす動きを見つめることは、この第三の次元、つまり「空」の出現を感じ取ることでもあります。
また、時間の痕跡という考え方や、日常的な物が、付喪神のように、ある種の精神や魂を持つようになるという考えにも惹かれています。百年もの間存在してきた器や道具、楽器などが、そのような存在へと変化していくことです。そこには、あらゆるものが本質や意識を持つ可能性を考える「輪廻転生(metempsychosis)」とのつながりもあります。
このように考えると、物もまた身体として捉えることができます。そして、人間、動物、自然、物といった存在すべてを、同じ階層の上に置いて考えることができるのです。この考え方は、私たちと世界との関係を改めて見つめ直し、生きているものも、生きていないものも、それぞれが本質的な価値を持っていることに気づかせてくれます。

5. 日常生活の中で、探し求めている「内なる光」とよりつながっていると感じるために、何かしていることはありますか?新しい絵を描き始める前の習慣などはありますか?
ある場所で時間を過ごし、その場所の光を捉えることが、私にとってとても大切です。特に、アーティスト・イン・レジデンスでの制作をその点で大切にしています。私は儀式のようなものや、毎日の制作リズムをつくることを必要としています。
何気ない瞬間のシンプルさを大切にし、考えを巡らせるときにその場にしっかりと身を置けるよう、今この瞬間に自分をつなぎとめるようにしています。それは、外からの雑音や気を散らすものから切り離される、一種のトランス状態にも似ています。
6. あなたの作品は、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュールの風景や日常生活から生まれています。この地域は、あなたの感情や芸術的な視点にどのような影響を与えましたか?
南仏は、私にとって「選び取った故郷」のような場所です。それは境界や限界について問いかけてきます。
この地域で暮らすことで、私はヤドカリという存在と、「家」という概念について考えるようになりました。私たちは自分の身振りや所作を、ある場所から別の場所へと持ち運びます。私たちは場所に住み、その場所に命を吹き込み、そして逆に、その場所によって自分自身も動かされることができます。
また、夢と現実のあいだ、まばゆい太陽の光と、周囲の世界と再びつながる瞬間のあいだを行き来するという感覚にも惹かれています。網膜に入り込む色、そして真実のまま残る空の青。
7. 今回の展覧会では、色彩が感情を表現する重要な役割を担っています。それぞれの絵に使う色は、どのように決めているのでしょうか?
とても自然なことであり、私が絵を描いている文脈と深くつながっています。例えば今回のシリーズはマルセイユで制作したもので、その色彩には、その土地特有の環境が反映されています。